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2023.02.27

連載

[ショールーム探訪vol.11]上野の繁華街で、協働ロボを教わる/「SSI株式会社×TM-ROBOTショールーム&ラボ」(1/3)

台湾の協働ロボットメーカー、テックマンロボットの国内代理店を務めるSSI(浜松市中区、小笠原誠社長)は昨年11月、東京都台東区に「SSI株式会社×TM-ROBOT(ロボット)ショールーム&ラボ」と「テックマンロボット トレーニングセンター」を開設した。場所はJR御徒町駅の近くでJR上野駅から続く繁華街の中にある。この場所に拠点を設けた狙いとは。

繁華街のすぐそばに

雑居ビルの入り口から繁華街が見える

 冬の日暮れは早い。
 「SSI株式会社×TM-ROBOTショールーム&ラボ」を訪れたのは午後4時。しかし、すでに外は暗く、上野駅から続く繁華街のネオンが輝いていた。

 同施設は、JR御徒町駅から徒歩3分、JR上野駅からも10分圏内に位置する。「こんな街中で、協働ロボットを見られるチャンスはない」とワクワクしながら、雑居ビルの9階に向かった。

出迎えてくれた竹内千洋常務執行役員

 出迎えてくれたのは、竹内千洋常務執行役員だ。

 SSIは元々、さまざまな機器に組み込まれる組み込みシステムのハードウエアや、電子機器に組み込まれたハードを制御するためのソフトウエア「ファームウエア」の受託開発を手掛ける。
 特に通信ネットワークの構築技術や、動きを制御するモーションコントロール関連の技術に強みを持つ。

 テックマンを扱う代理店は複数あるが、SSIの強みは人工知能(AI)機能搭載の協働ロボット「TM AI COBOT(コボット)シリーズ」の通信ネットワークやソフトなど内部構造まで熟知していること。これまでのビジネスで培った技術力を生かしたきめ細かな顧客サポートで差別化を図る。

なぜ、上野?

施設内の全景

 サポートの拡充を目指して、同社のロボット事業では都内初の拠点を設けた。では、なぜ上野と御徒町の間だったのか。
 竹内常務は「交通の便の良さ」を理由に上げる。

 同社は浜松市に本社とショールームを構え、当初は東海地区を中心に展開した。ところが、国内の自動化ニーズの高まりと同社の販売戦略が奏功し、この数年で顧客は全国規模に拡大した。

 特に、北陸地方や信越地方、東北地方、北関東で顧客が増えたという。そこで、それらの地域から新幹線でのアクセスが良い上野駅の近くに拠点を設けた。
 「当初は品川駅の近隣も考えた。しかし、そういった地域の人が新幹線だけで来られる利便性を重視した」(竹内常務)。

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