生産現場のロボット化と自動化を支援するウェブマガジン

2023.01.30

連載

[進化する物流vol.11]米国ローカスロボティクスが日本初上陸

米国の自律移動型搬送ロボット(AMR)メーカーのLocus Robotics(ローカスロボティクス)は1月、日本市場への参入を表明した。インテリアデザイナー向けの建材サンプル発送サービス「マテリアルバンク・ジャパン」の倉庫にAMR25台を導入。「これを機に日本市場へ参入する。日本はロボットを受け入れる土壌がある国。日本で展開することを楽しみにしている」とリック・フォーク最高経営責任者(CEO)は言う。

建材サンプルの発送を自動化

人がピッキングした建材サンプルをAMRが出荷エリアまで自動搬送

 DesignFuture Japan(デザインフューチャージャパン、東京都渋谷区、中澤剛CEO)とローカスロボティクスは1月、連携してインテリアデザイナー向けの建材サンプル発送サービス「マテリアルバンク・ジャパン」の運用実証を開始すると発表した。
 マテリアルバンク・ジャパンは、米国で同様のサービスを展開する「マテリアルバンク」の日本版で、国内ではデザインフューチャージャパンが運営。千葉県市川市の倉庫でのピッキング作業の自動化をローカスロボティクスが担う。

建材サンプルの一例

 壁紙やタイル、床材などの建材サンプルは従来、インテリアデザイナーが各メーカーに連絡して取り寄せる必要があり、大きな負担となっていた。これを一括して発送してくれるのがマテリアルバンクのサービスだ。ウェブ上で欲しいサンプルを入力すると、すぐに倉庫からピッキングし、まとめて当日発送してくれる。
 今回の運用実証の期間は3か月間で、建材メーカー約60社とインテリアデザイナー約3000人が参加する。運用実証後に正式にサービスを開始し、3年以内にデザイナー10万人の利用を目指す。

CEOが来日し「日本展開が楽しみ」

デザインフューチャージャパンの中澤剛CEO

 今回ローカスロボティクスが自動化を担当したのは、米国のマテリアルバンクで実績があったため。
 「ローカスロボティクスなら、マテリアルバンクが求めるスピード感に対応できる。倉庫作業者の生産性を2倍以上に高められ、作業者のトレーニング時間も短縮できる」とデザインフューチャージャパンの中澤CEOは言う。

日本市場への参入を図るローカスロボティクスのリック・フォークCEO

 ローカスロボティクスでは今回の導入を機に、日本市場への参入を図る。当面はシンガポールのアジア統括拠点が日本市場を管轄する。
 同社は2015年創業の企業で、250カ所以上の拠点に1万台以上のAMRを導入した実績を持つ。
 「わが社は現在、世界展開を進めている。日本はロボットを受け入れる土壌が整っている国で、日本市場でも展開できることを楽しみにしている」とローカスロボティクスのフォークCEOは話す。

(ロボットダイジェスト編集デスク 曽根勇也)


TOP