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2022.03.02

[特集 国際ロボット展vol.8] 狙うは本丸・物流業界/ヤマハ発動機、アイエイアイ、ユニバーサルロボット(1/3)

今回の2022国際ロボット展(iREX2022)では、物流業務への提案が目立つ。メーカーや卸、小売りなどの各業界の物流業務は、未開拓の「ブルーオーシャン」だ。さらに、人の手に頼り、人海戦術と体力勝負でこなしてきた運送や倉庫などの物流業界でも、ついに自動化への扉が開いた。慢性的な人手不足から、自動化による省人化は急務。ロボットメーカー各社もあらゆる方法で、各業界の物流業務と、物流の本丸・物流業界へのアプローチを試みる。

さまざまな環境下で搬送「十分見ごたえ」

 67年にわたりヒトとモノを運び続けてきたヤマハ発動機は「搬送」をテーマに出展する。出展コンセプトは「μ to km(ミクロン・トゥ・キロメートル)~Robotics Transportation(ロボティクス・トランスポーテーション)~」だ。

 製造現場での搬送は生産に直接寄与しない時間だが、ヤマハはさまざまな機能を与え、つなぎ合わせることで、新たな付加価値を持たせる。ロボティクス事業部の福川義章営業統括部FA営業部長は「ミクロン単位の精密位置決めから、装置間、工程間、工場間のキロメートルの移動まで、クリーンな環境はもちろん、3K職場や屋外まで、さまざまな環境での搬送を可能にする」と語る。

 小型の物を扱う生産ラインでの提案として、リニア・コンベヤー・モジュール(LCM)「R200」を出展する。会場では、非接触給電と組み合わせ、スキャンカメラと組み合わせたLCMの活用法を提案する。

 さらに「安全だけど遅い」の概念を覆す7軸協働ロボットを出展する。7軸で狭小エリアでの作業を可能にし、一般的な協働ロボットの低速動作に加え、高速動作モードも選択できる。全軸に配した高精度力覚センサーで、精密動作と安全性を両立した。

  • 「さまざまな環境での搬送を可能にする」と語る福川義章営業統括部FA営業部長

  • ヤマハ発動機が掲げる今回展の出展コンセプト

 複雑なデータの設定が要らず、ピッキング作業を省人化できる「3Dピッキング」も出展。画像解析技術の応用で、プログラムの設定やCADデータ(設計データ)を使わず、複数の種類のボルトなどを小分けにでき、正確なピッキング作業と管理で、省人化に貢献できる。生産ライン間をつなぐ搬送用ロボットとして「自律移動ロボットAFV」を出展。次世代の自動化を牽(けん)引する考えだ。

 また、機能に応じてカスタマイズができる、組み立て式のタフネス無人搬送車(AGV)「COW-el」を出展する。床面が整備された最新の工場だけでなく、凹凸や油にさらされるような悪条件の製造現場にも対応する。走らせるルートは「ビニールテープ」を張るだけで、レール埋設工事や、マッピングなどのプログラムも不要だ。

 今年7月に発売予定の、工場内外の自動搬送用電気自動車(EV)「eve autonomy(イブ・オートノミー)」も出展。パソコンで簡単にルート変更ができ、手軽に情報収集できるだけでなく、AGVには難しい屋外の風雨や傾斜、段差のある環境でも搬送可能にした。

 福川部長は「国際ロボット展は集客力が高く、来場するユーザーの要求を確認できる。参考出展品から販売製品を含めさまざまな商材をそろえた。見ごたえあるはず」と意気込みを語る。

  • リニア・コンベヤー・モジュール「R200」

  • ピッキング作業を省人化できる「3Dピッキング」(いずれもヤマハ発動機提供)

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