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2021.03.26

連載

[ロボットが活躍する現場vol.14]協働使って夜間を無人で/酒井鋼管

業務用の椅子や机の、脚や骨組み部分の鋼材を加工する酒井鋼管(名古屋市港区、原裕矢社長)は、2019年12月に中国のロボットメーカーAUBO robotics(オーボロボティクス、以下オーボ)の協働ロボット「AUBO-i10(オーボi10)」を導入した。販売代理店の三機(名古屋市熱田区、木島正人社長)が酒井鋼管と打ち合わせを重ねながら、最適なシステムを提案。上部に付けたカメラで加工後の鋼材の中心を認識してつかみ、台に整列させる。日中は人がする作業を、夜間はオーボi10に置き換えて無人加工を目指す。

中心をどうつかむか

レーザ加工機から排出される鋼管をオーボi10がつかむ(写真は全て提供)

 さまざまな鋼管、パイプ材の切断や曲げ、絞り加工をする酒井鋼管では、レーザ加工機から排出される鋼管を、オーボi10がつかんで所定の置き台に並べる。

 オーボi10は、中国のロボットメーカーが製造する協働ロボットで、国内メーカーの協働ロボットに比べて低価格な所が特徴だ。安全柵なしで使え、接触時に停止する安全性、簡単に使えるティーチングペンダント(ロボットに動作を入力する機器)など、協働ロボットに求められる基本的な性能もそろう。

 課題となったのは鋼材の中心をどうやって認識させるか。長さのある鋼材をきれいに整列させるには、ロボットに中心をつかませる必要があるからだ。
 当初は鋼管を押して定位置を決める方法を考えた。しかしシステム構築を担当した三機は、オリジナルの画像センサー「LF-Sticker(スティッカー)」を活用した方法を提案した。装置上部に取り付けたカメラの画面を等間隔に分けて、鋼材の収まる枠を認識することで、鋼材の中心を見極める。例えば3つ枠に収まる鋼材なら、真ん中の枠部分が鋼材の中心という仕組みだ。機械から排出される鋼材の位置がずれても、ロボットが中心を認識して台へ並べる。

  • 画像センサーを利用して鋼管の真ん中をとらえる

  • 真ん中をつかめなければ、うまく並べることができない

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