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2020.08.31

インタビュー

日本ですべきことは、ただ一つ。たった一つ【後編】/KUKA Japan 大田紘新社長インタビュー

産業用ロボットの世界四強メーカーの一つ、ドイツのKUKA(クカ)。その日本法人、KUKA Japan(横浜市保土ヶ谷区)の社長に大田紘氏が就任した。今年7月に着任したばかりで「まだまだ勉強不足」と謙遜しながらも、「ライバルメーカーの多い日本市場でKUKAがすべきことは、ただ一つ」と断言する。後編では現況分析も踏まえながら、今後の方針や意気込みを聞いた。

単にロボットを売る時代は終わった

KUKAは機械的な性能が強みの一つ

――外資の産業機器メーカーを2社経験してからの就任です。その時代からのKUKAの印象は?
 KUKAだけでなくドイツの製造業全体なのですが、同国には独特の設計思想がある。それが剛性や動作精度の高さといった、KUKAロボットのハードウエアとしての特徴を支えています。そのハードウエアを簡単に使いこなせるよう、ソフトウエアの拡充も進める。そんな印象です。

――高性能なハードや、使いやすいソフトに強みがある。
 はい。ただ、20年前には「単にロボットを売る」手法が通用したのかもしれませんが、今は違う。アプリケーション(用途に合わせた活用法)やソリューションとしての提案が不可避です。そこで、システム構築まで手掛けるKUKAの強みを発揮できると思います。

――どのような方策を考えていますか
 まず、製品のラインアップの強化で製品同士の組み合わせを拡充して、包括的な提案をしやすくします。今年中に新型の水平多関節(スカラ)ロボットと、可搬質量を改めた垂直多関節ロボット、小型化したロボットコントローラーを発売します。

新製品の特徴とは

今年中に発売予定の水平多関節(スカラ)ロボット「KRスカラ」

――なるほど。
 意外に思われるかもしれませんが、KUKAはこれまでスカラロボットを開発していなかった。また、垂直多関節型もシリーズは多いですが、可搬質量の違いなどでラインアップに「隙間」が生じていた。そこを埋めるような新製品です。スカラロボットの「KRスカラ」は6kg可搬と、同タイプとしては可搬質量が比較的大きい。その上で「機体サイズをなるべく小さく、サイクルタイムを早く、しかし、価格は控えめに」を意識した製品です。

――ロボットコントローラーは
 新製品の「KR C5マイクロ」は、小型化に焦点を置いた製品です。設置スペースを従来品より3割ほど減らせます。ロボットは単体ではなく、機械やラインの一部として使われることが多い。コントローラーが大きいとその分、設置可能な場所の候補を限定してしまう。このコントローラーは工場の敷地の狭い日本でも提案しやすいと思います。従来品からの付け替えにも対応できます。

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