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2018.12.21

大手も参入、ロボ研磨に注目。3Mジャパンが愛知産業と連携【前編】

米国3M(スリーエム)の日本法人スリーエムジャパン(東京都品川区、スティーブン・ヴァンダー・ロウ社長)は11月29日、ロボットを活用した研磨市場に参入すると発表した。溶接関連機器を販売する愛知産業(東京都品川区、井上博貴社長)と提携。安定性が高い3Mの研磨材と、愛知産業製の自動倣い機能付き研削装置を組み合わせた研磨作業用のロボットシステムを提案する。研磨作業は自動化が最も進んでいない分野の一つ。生産効率の向上や人手不足の補完を目的に、今後は大手のロボット研磨事業への参入が増えそうだ。

3Mが参入

 米国の化学メーカー、3Mの日本法人スリーエムジャパンは、「ロボットによる研磨」の市場に参入する。金属の溶接作業の前後工程で、酸化被膜を除去する、盛り上がった箇所をきれいにするなどの研磨作業は必須だ。その一方、研磨は金属加工の中でも特に自動化が進んでいない分野でもある。
 自動化が進んでいない分野とはつまり、競合相手のいない未開拓の市場(ブルーオーシャン)でもある。ただ、未開拓には理由がある。端的に「難しい」からだ。

 スリーエムジャパンは、自動車や鉄道車両、建築資材など、あらゆる産業で研磨工程の自動化を推進するという。生産効率の向上や労働力不足の補完に役立つシステムとして提案する。
 スリーエムジャパンの研磨材製品事業部の日西勝事業部長は「人手に頼らない研磨工程を実現しなければ、金属加工業の操業は早晩危機に陥る」と、危機感を隠さない。

長寿命、高い安定性と研磨力が必要

愛知産業の井上博貴社長(左)とスリーエムジャパン研磨材製品事業部の日西勝事業部長

 垂直多関節型の産業用ロボットの先端に、愛知産業製の自動倣い機能付き研削装置「AKグラインダ」を取り付け、3Mの研磨材を装着する。これがスリーエムジャパンと愛知産業が提案するシステムだ。産業用ロボットのメーカーは問わない。

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