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2022.03.24

認知広げて市場作る! 沖縄にロボット施設/カサイエレック

2年以内にインストラクターに

デンソーウェーブの「AUTO-ID製品」も一通りそろえた(提供)

 カサイエレックはなぜ沖縄デジ・ロボ・ラボを設けたのか?
 立花所長は「沖縄県ではロボットやデジタル技術に触れる機会が少なく、これらのツールを使う発想が生まれにくい。こうした環境でもロボットやデジタル技術の市場を作るには、まずは多くの人に知ってもらう必要がある」と説明する。
 ロボットやデジタル技術を知るには、実際に体験してもらうのが一番――。こうした発想から、単なるショールームではなく体験型のラボの設立に踏み切った。

 現在は事前予約制で、午前と午後で1組ずつ見学を受け付ける。沖縄事業所は立花所長を含めて2人体制で運営しているため、仕事の都合でラボを閉館せざるを得ない日もあるが、それでも製造業や物流業、観光業などから週に4~5組ほど来場するという。

「ロボットもデジタル技術も両方やるという姿勢が大事」と話す立花大資沖縄事業所長

 とはいえ、沖縄デジ・ロボ・ラボの開設からまだ日が浅いため、まずは施設運営のノウハウ獲得を急ぐ。また、ロボットの特別教育では、自社スタッフだけでも講習ができるよう、2年以内に「産業用ロボット特別教育インストラクター」の資格取得を目指す。この他、ゆくゆくは民間企業向けの教育コンテンツの制作や販売などにも取り組み、沖縄事業所の収益拡大につなげる。
 だが、立花所長は「沖縄県でも人手不足は深刻だが、そもそも仕事量が少ないため、ロボットシステムだけではビジネスが成り立たない。ロボットもデジタル技術も両方やるという姿勢が大事」と指摘する。

 沖縄県に市場を作るため、今後は沖縄デジ・ロボ・ラボを通じてロボットとデジタル技術の認知を広げていく。特にデジタル技術の分野では県内のシステム開発会社と協業し、県内で需給を満たす「地産地消」の体制を整えたい考えだ。

(ロボットダイジェスト編集部 桑崎厚史)

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