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2020.07.22

コラム

[コラム]最新AIを超える知能

3度のブームを経ても

 2000年代から現在までは、第3次人工知能(AI)ブームと言われる。

 1950~60年代の第1次ブームの技術的な特徴は「推論と探索」。コンピューターが自ら推論を立て、問題に対する解を探索する。しかしゲームなど明確なルールの下でしか解を出せず、実用性は乏しかった。
 第2次ブームは80年代~90年代前半で、「知識表現」が特徴だった。コンピューターに専門知識とルールを入れることで、専門家のような判断ができる。機能に限界はあったが産業界でも使われた。

産業界でのAIの用途はまだまだ限られる

 今の第3次ブームの特徴は、機械学習だ。人が教え込まなくても、データから学んでコンピューターが賢くなる。深層学習(ディープラーニング)もその一種で、判断の際に考慮すべき項目まで自動で抽出する。

 「機械の腕、手」である産業用ロボットは、当然ながら「機械の脳」とも言うべきAIとは相性がいい。第3次AIブームは、近年のロボット産業の盛り上がりに一役買った。しかし、3度のブームを経てもなお、AIは人のレベルには達していない。チェスでは人に勝てても、産業界では用途が限られる。

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