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2024.01.29
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[2023国際ロボット展リポートvol. 25] 独自構造で他にないソリューション/ローレルバンクマシン、コスメック、フエニックス・コンタクト

ロボットは成長産業であり、日々新たなアプリケーション(活用方法)が登場している。広がるニーズに応えるため、工夫を凝らした独自構造の製品で差別化を図る企業も多い。vol.25では、独自構造で異彩を放つロボットやアクセサリー(付属品)などを紹介する。

垂直多関節ロボットにはできない動き/ローレルバンクマシン

ローレルバンクマシンの8軸多関節ロボット「クロスロボモ」が狭いスペース内でスーパーボールを移し替える

 ローレルバンクマシン(東京都港区、池辺正社長)は、開発中の8軸多関節ロボット「xLobomo(クロスロボモ)」を参考出品した。

 クロスロボモは、「xMotion(クロスモーション)構造」という直交ロボットと垂直多関節ロボットを組み合わせたような独自構造を採用。ブースでは、クロスロボモの根元にアームを動かす動作など、6軸垂直多関節ロボットではできない動きを披露するデモや、限られたスペース内でスーパーボールをピッキングして他の場所に移し替えるデモなどを披露し、来場者の注目を集めた。

 開発者である次世代第2研究所の繁田知秀シニアエキスパートは「高精度のねじを使って動作時の微振動をなくすなど、製品化に向けてこれからも改良を続けていく。協働ロボットタイプの開発も進めていきたい」と意気込む。

押し込むだけで簡単に着脱/コスメック

ストッカーの内側が進入方向に対して斜めになっており、押し込むだけでアダプターを着脱できる

 ロボットシステムに使われるジグ(補助具)やクランプ(固定器具)などの周辺機器を開発、製造するコスメック(神戸市西区、木村公治社長)は、省エネやカーボンニュートラル(炭素中立)に貢献する製品を披露した。

 クランプ機器の「スマートシリーズ」は、底面にある凸部をプッシュできれば、エアシリンダーや電動シリンダー、メカなどどの方法を使っても同じ精度で同じクランプ力を生む。ロボットのアームや人の手で作動させることもできる。ばねの力でクランプするため油圧クランプなどと比べ製品そのものの環境負荷も小さい。

 同様のコンセプトで開発され、今回新製品として出展した製品の一つがメカ式ロボットハンドチェンジャー「SMR」だ。アダプター側面の凸部をプッシュするだけで、アダプターをロック、アンロックできる。アダプターを差し込むだけでハンドを着脱できるストッカーと合わせて展示し、関心を集めた。

電線を差し込むだけで接続/フエニックス・コンタクト

ロボットの制御盤やロボットによる接続作業に適する

 フエニックス・コンタクト(日本法人=横浜市港北区、青木良行社長)は、「プリント基板用コネクタ XPC1,5シリーズ」をアピールした。

 独自技術「Push-X(プッシュX)テクノロジ」を搭載する。差し込む側の雄のコネクターの端子と電線の接続を工具なしで簡単にできる。単線や細い電線を多数まとめた「より線」などの種類を問わず、外皮を剥いた状態の電線を差し込むだけ。電線を固定すると、ボタンが飛び出て「カチッ」と音がする。反対に電線を外す際にはそのボタンを押すだけで済む。

 担当者は「ロボットなどの制御盤では、小型化や省スペースへのニーズが強く、作業できるスペースは狭い。簡単に電線を着脱できるのは大きな強み。ロボットを使った接続作業にも向く」と話す。

 

(松川裕希、西塚将喜、斉藤拓哉)

 

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