自動PCR検査システムの有用性評価を開始/川崎重工や京大病院など
川崎重工業は4月21日、京都大学医学部附属病院、検査機器大手のシスメックスと共同で、「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)対策を目的とした大規模全自動PCRロボットコンテナの社会実装に向けた有用性評価」の共同研究を開始すると発表した。 共同研究では、川崎重工とシスメックス、メディカロイド(神戸市中央区、浅野薫社長)の3社が開発した、川崎重工製ロボットを使った「自動PCR検査システム」の性能評価、臨床的有効性の評価をする。 また、被検者や検査機関による依頼から結果の報告、フォローアップまでを含めた業務設計も評価する。
自動PCR検査システムはコンテナを用いた移動式で、1日(16時間稼働)あたり最大2500検体の検査をロボットにより完全自動化できるほか、検体を随時投入して約80分で迅速に検査できる。 4月下旬には自動PCR検査システムの基礎性能評価と保存検体を用いた臨床評価を開始し、5月上旬には京都大学の学生や教職員を対象としたPCR自費検査を始め、大規模なPCR検査業務設計を評価する予定だ。 今後、共同研究の検証結果をもとに、COVID-19の臨床検査、クラスター発生地、感染ハイリスク者のスクリーニング、疫学調査、空港検疫や大規模イベントなどへの迅速な大量検査体制の提供など、感染対策と社会活動の両立が期待される。