SIer2社が合弁会社を設立、相模原で生まれた新たな連携の形【前編】/トランセンド(JET、永進テクノ)
相模原市は産業用ロボットの導入支援、普及支援策が手厚い自治体として知られ、ロボットシステムを構築するシステムインテグレーター(SIer、エスアイアー)も少なくない。その相模原で、新しい形のSIer連携に取り組むのが、JET(相模原市中央区、遠藤法男社長)と永進テクノ(相模原市緑区、鈴木道雄社長)だ。両社とも単独でもSIer事業を営むが、2016年に共同出資でトランセンド(相模原市中央区、遠藤法男社長)というSIerを設立した。
それぞれが独立したSIer
NEDOの助成事業をきっかけに協業
両社の社長が知り合ったのは13年ごろ。地元の事業者が集まる会合でのことで、懇親会で同じ大学の出身と分かり、親しくなった。 その後、15年に永進テクノが、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「ロボット活用型市場化適用技術開発プロジェクト」への応募を検討した際、単独では難しいとJETに協業を提案。17年までの3カ年で、「食品工場のコンビニ向け配送仕分けロボット」を共同開発した。 永進テクノの鈴木社長は「JETはさまざまな分野の幅広い設備を、ソフトウエアまで含めて開発してきた実績があり、その開発力はパートナーとしてとても魅力的だった。わが社は重工メーカー向けの溶接ロボットシステムなどの実績は多いが、開発力ではかなわない」と協業相手にJETを選んだ理由を話す。 JETの遠藤社長は、「永進テクノは浮上油回収装置のメーカーとして多くの企業と取り引きがあり、顔の広さや情報収集能力がわが社とは比較にならない。現場での施工力も高く、アフターサービスの体制などもしっかりしている」と永進テクノの魅力を語る。