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2022.07.21
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溶接ロボが狙う次の展開/2022国際ウエルディングショー

初心者の導入しやすさを追求

 ダイヘンは産業用ロボットの初心者でも導入しやすい2つのシステムをブースの前面でアピールした。共に今年中の正式発売を目指す。  その1つ「タブレット教示レスシステム」は拡張現実(AR)技術を使い、溶接ロボットの教示を簡単にする。  専用のアプリケーションをダウンロードしたタブレット端末「iPad Pro(アイパッドプロ)」で、ロボットの先端とワークを1画面で捉えると、iPadでの表示上に溶接箇所が点線で表示される。画面をタッチして点線を微調整をして、溶接条件などを別途に設定してロボットコントローラーに転送すると教示が終わる。  もう一つは「アーク溶接用協働ロボット」と教示用のジョイスティックペンダント「JoyPEN(ジョイペン)」だ。  協働ロボットはアーク溶接に特化し、機械の剛性や動作精度を高め、溶接中に飛び散るスパッタへの対策を万全にした。  ジョイペンはロボットに動作を設定する教示作業に使う手持ちの装置。ジョイスティックとジャイロセンサーを使い、直感的にロボットの教示作業ができる。片手に収まるサイズで、従来のティーチングペンダントよりも小型で軽量なため、作業者の負担を軽減する。片手で動作の教示から作成したプログラムの確認までできる。  担当者は「溶接作業の自動化は、先行する専用ラインと遅れる多品種少量の現場で格差が広がる。今一番困っているのは多品種少量の現場。そこに提案できるシステムを増やす」と訴求する。

ダイヘンの「タブレット教示レスシステム」はARを活用
ジョイペンでアーク溶接用協働ロボットを操作する
リンクウィズは協働ロボットにL-ロボットを搭載した

 ロボット用ソフトウエアを得意にするベンチャー企業のリンクウィズ(浜松市中区、吹野豪社長)も出展した。同社では初めて協働ロボットを使った展示をした。  まず、ワーク形状を3Dスキャナーで読み取る。次に同社のソフト「L-ROBOT(エルロボット)」で解析。空間座標として溶接すべき箇所を伝え、ロボットが溶接作業を実行する。  担当者は「溶接作業では、ロボットの動作がそのまま形状に転写される。アームを手で動かして教示するダイレクトティーチングでは、動作精度や教示の正確性を突き詰めるのは難しく、また手間もかかる。このシステムを使えば、ワークを置くだけで形状を解析して、その外形に合わせた動きをできる」と胸を張る。

(ロボットダイジェスト編集部 西塚将喜)

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