[SIerを訪ねてvol.30]地元企業の自動化の「最後の砦」/アラインテック
ブランド力高めメーカーとして名乗り
1950年に旭興産として設立し、2020年に70周年を迎えたのを機に、社名をアラインテックに改めた。「アライン」はアルファベットで「aline」と書き、「advanced line(アドバンストライン、高度な設備)」をもじった造語だ。03年ごろから、同社が手掛けたロボットシステムや自動化システムのブランド名として使い始めた。上田社長は「SIerはメーカーのように設備や部品に名前が残りにくいのが課題。知名度やブランド力を高めたかった」と振り返る。 SIerとして顧客のニーズに合わせて一品一葉のシステムを設計する他、18年には自社製品の開発を始めた。培ったノウハウをもとに特にニーズの高い工程をパッケージ化する。その柱となるのが、20年に正式に製品化したバラ積みピッキングシステムだ。その後も、段積みと段ばらしをするケースローダー、同じプロセスで多くのサンプルを取得しなければならない研究所や分析センター向けのラボ用システムを開発し、製品化が間近だ。「引き続き、次の製品化のアイデアを模索する」と意気込む。
ノウハウの蓄積と活用をサイクル化
今後の課題は営業力だ。もともと顧客の困りごとに応じて自動化を提案するスタイルで、工場のキャパシティーを超える受注を防ぐためにも工場ごとに少数の営業マンを置く形だった。今は事業部門全体の営業を行う営業統括部に一本化し、人員と体制の拡充を図っている。「これまで以上に幅広い産業で自動化を提案したり、パッケージ化した製品の販売のためにも、営業力を高める必要がある」と言う。
(ロボットダイジェスト編集部 松川裕希)
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