[特集 国際ロボット展vol.8] 狙うは本丸・物流業界/ヤマハ発動機、アイエイアイ、ユニバーサルロボット
業界初の「リモスピ」を初披露
アイエイアイ(IAI、静岡市清水区、石田徹社長)は、東2ホールの奥に、大手に肩を並べる100小間規模のブースで出展。電動シリンダー「エレシリンダー」の導入で、設備の二酸化炭素(CO2)排出量と電気代の削減を大々的にPRする構えだ。
出展のテーマに掲げるのは「CO2の削減」「設定が簡単」「利益が出る」――の3つ。ブース最大の目玉は、省人化や自動化が求められる物流現場のさまざまな業務や作業を想定した「オール電動コンベヤーライン」だ。
物流現場を想定し、折り畳み式コンテナの組み立てや段ボールの収納、カゴ式台車への積み込みや荷降ろし、荷物の振り分けなどを、さまざまな電動アクチュエーターを使って自動化を提案する。
「ツールボックス組み立てライン」では、ねじ締めや接着剤の塗布、ロゴやシリアル番号の印字、検査などの工程を、エアシリンダーを使わず電動アクチュエーターだけで再現。これまで好評を博した展示ラインをさらにグレードアップした。
「搬送アクチュエーター+ローディングロボット」では、7mの長尺アクチュエーターとローディングロボットを1台のコントローラーで制御する。工作機械などの加工機4台の装置間搬送や扉の開閉、ワーク(被加工材)のローディングを再現する。
エレシリンダーと空圧式のエアシリンダーを並べたデモでは、両機に同じ作業をさせてCO2の排出量の違いを実測表示する。
もちろん、新製品も披露する。生産ラインなどに組み込まれる超小型サイズのエレシリンダーの新製品を初披露するほか、業界初となるエレシリンダーをリモコン制御する「リモスピ」の実機も展示する。
販売部技術教育課の柴田伸行さんは「電動エレシリンダーでの省エネ実現は、われわれ自身が積極的にお伝えしなければ世の理解が広がらない。エレシリンダーに直接触らなくても、初披露する『リモスピ』を使えばワイヤレスに制御できる。ぜひ会場で現物を見て確かめてほしい」と語る。
さまざまな出展のほか、「CO2削減セミナー」も1日12回開催する。