物流向けロボットに注目!/国際物流総合展2018【後編】
既存システムに新技術を組み込む
中西金属工業は、川崎重工業の垂直多関節ロボットを搭載した無人フォークリフト「ロボスクエアフォーク」を展示。一度に多くの荷物を運べ、積み下ろしもできる。 トラックへの荷物の積み下ろし作業などに提案するもので、可搬重量は40kgだが、これを今後増大させる方針だ。 ダイヘンはAGVのワイヤレス充電システム「D-Broad(ディーブロード)」を展示。AGVにロボットを載せたシステムでは、荷物の積み下ろしなどロボットが稼働する時間はAGVは停止する。その時間を活用して充電する。バッテリー残量の減りの速さがAGVの課題の1つだったが、充電のための非走行時間が無くなり、稼働率を高められる。
ロボットとAIの組み合わせ
IHIは、人工知能(AI)技術を活用したばら積みピッキングロボットを展示した。 画像認識にAIの一種である深層学習を利用したもので、AIベンチャー企業の米国OSARO(オサロ)と共同開発した。 「コンビニで売っているサラダなど、透明の容器に入って中身が不ぞろいの物は、従来の画像認識技術では同じものと認識できなかった。この課題をAIで克服した」とオサロの河本和宏エンジニアは胸を張る。 会場では透明容器に多彩なカラーボールを入れた複数のサンプルを、同じ物と判別してピッキングしてみせた。
物流での実績をアピール
産業用ロボットのコントローラーメーカーのMUJIN(ムジン、東京都墨田区、滝野一征CEO)は、物流工程ごとの作業をブースで再現した。 可搬重量10kg程度のロボットを使った日用雑貨品の仕分け作業や、大型のロボットを使った段ボール箱の積み下ろしなどを披露。どの展示も多くの見物人であふれた。 同社のコントローラーは動作の入力(ティーチング)が簡単で大手ロボットメーカーの大半の機種に対応するなど汎用性が高く、物流倉庫での導入実績が多い。 今年8月には卸売企業PALTAC(パルタック)の物流拠点にロボットシステムを納入。「『デパレタイズ』と呼ばれる荷下ろし作業の完全自動化を実現した。このノウハウを他の物流倉庫でも生かしたい」と山内龍王PRマネージャーは意気込む。
(ロボットダイジェスト編集部)
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