2023.06.06
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[特集 工場物流を刷新せよ!vol.4]ワーク着脱から工場物流まで、変種変量生産の自動化に威力/DMG森精機

±1mm以下の位置決め精度

WH-AMRなどを使用した自動化システムのイメージ(提供)

 同社の自動化システムの主な用途は、ワークやパレットなどの着脱作業だ。だが、近年はワーク着脱から工場物流までの一連の作業を自動化できるソリューションの提案にも力を注ぐ。  その中核となるのが、2021年に発売したWH-AMR。協働ロボットと自社開発のAMRを組み合わせた自動化システムで、ワークの可搬質量が5kgと10kgの2種類を用意する。AMRにはレーザースキャナーが搭載されており、人や障害物を回避して走行できる。  事前にマップを作成するだけでWH-AMRが途中経路を自動で生成するため、既存の工場レイアウトを変えることなく導入できるのが特徴だ。複数の工作機械や周辺装置とも簡単に接続できる上、工程変更やレイアウト変更にも柔軟に対応でき、工場全体の自動化に役立つ。

 また、ロボットアーム先端に搭載されたビジョンセンサーと「AprilTag(エイプリルタグ)」という専用タグを併用すれば、±1mm以下の位置決め精度を実現できる。「工作機械のドアなどに貼り付けたタグを読み取り、その位置情報からロボットのプログラムを補正することで位置決め精度を向上させた。AMRの停止精度に左右されずに、工作機械に直接ワークを供給できる」と入野執行役員は強調する。  昨年開催された「第31回日本国際工作機械見本市(JIMTOF2022)」では複数の工作機械の間をWH-AMRが走行しながら、ワーク着脱やチャックの爪交換、工程間搬送などの一連の作業を自動化する大掛かりなデモを披露。複数の作業を器用にこなすWH-AMRに大きな注目が集まった。

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