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2022.09.02

3Dプリンターでロボットアームの一体造形も/システムクリエイト

FA(ファクトリーオートメーション=工場自動化)商社のシステムクリエイト(大阪府東大阪市、川上正義社長)は、今年1月に中国のクリエイトボットと、6月にルクセンブルクのアニソプリントと総代理店契約を結び、両メーカーの3Dプリンターの独占販売を開始した。クリエイトボットの3Dプリンターは最大1×1×1mサイズまで造形でき、ロボットアームを一体で造形することも可能。また、アニソプリントの製品は軽量で強度の高い部品を造形できるため、ロボットハンドの製作に活用できる可能性がある。ともにユーザーの反響は大きく、今後3Dプリンターの拡販に力を入れる。

従来製品にない機能も

新商材の拡販に意欲を見せる川上正義社長

 工作機械や3Dプリンター、製造業向けのソフトウエアを販売し、3Dプリンターを使った受託加工などもするシステムクリエイトは、新たにクリエイトボットとアニソプリントの2社の国内総代理店として両社の3Dプリンターの販売を始めた。

 クリエイトボットは5機種を展開し、最大1×1×1mの加工対象物(ワーク)を造形できる。システムクリエイトがメーカーと共同開発した加工補助具(ジグ)を使うことで、軟らかいゴム系の材料でも造形できる。

 アニソプリントは底面がA4サイズとA3サイズの2機種で、ワーク内部にカーボン繊維を織り込むことで強度を向上させることができる。カーボン複合成形は他社製品でも可能だが、アニソプリントは任意の配置と形状で織り込める。また、汎用のエンジニアリングプラスチックも造形に使えるため、造形コストを抑えられるのも特徴だ。

潜在ニーズを引き出す

カーボン繊維の密度(左)や、レイアウト(右)で適切な強度を得る

 川上正義社長は「いずれも従来の3Dプリンターの弱点をカバーし、今までにない使い方を実現する可能性を秘める」と力を込める。
 例えば大型ワークを得意とするクリエイトボット製品は産業用ロボットのアームを一つのワークとして製作できる可能性がある。「既存の3Dプリンターでも、アームを複数のワークに分割して造形し組み立てる方法は検討されていた。一体型のワークなら強度を高めながら軽量化もできる」と川上社長は力を込める。

 アニソプリントは、ワークへの負荷を解析し最適なカーボン繊維の配置を指定でき、軽量化にもつながる。専用のソフトウエアは、提携する英国のアディティブフローが年内のリリースを目指して開発を進めている。ロボットハンドもアーム同様、できるだけ強度が高く軽量に作る必要があるため、システムインテグレーターやロボットユーザーなどで潜在的な需要を見込む。

受託加工を導入のきっかけに

受託加工に用いるクリエイトボット(右、中)とアニソプリント(左)の3Dプリンター

 クリエイトボット製やアニソプリント製を含む3Dプリンターを自社設備として保有し、受託加工もする。受託加工を通じて3Dプリンターのメリットを実感してもらい、導入に結び付くことも少なくない。
 「加工の発注者自身に造形の様子を見てもらうことが、3Dプリンターの初導入や、2台目の導入の決め手になることも。手応えはある。まずは認知度を高めたい」と川上社長は意気込みを語る。

(ロボットダイジェスト編集部 松川裕希)

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