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2019.09.09

部品の取り出しや組み立てを効率化するAIを開発/産業技術総合研究所

 産業技術総合研究所(中鉢良治理事長)の人工知能研究センターは8月29日、大阪大学や中京大学と共同で、ロボットによる部品の取り出しや組み立てを容易にする人工知能(AI)を開発したと発表した。
 新しいAIでは、部品がばらばらに積まれた状態をシミュレーター上で再現。L字型の部品などは一つを持ち上げると他の部品も引っ掛かって持ち上がってしまうが、周りに引っ掛からずに取り出せる部品の姿勢を学習することで、L字型の部品も1つずつ取り出せる。従来は同様の作業をロボットに覚えさせるために数日かかったが、シミュレーション上で学習することで約5時間で学習を完了する。
 さらに、ロボットハンドに搭載したカメラの画像データの処理方法を工夫し、つかむ位置の検出にかかる時間を従来比で3分の1に短縮した。
 また、新しいAIを使えば、カメラの前で人が実演した作業を、ロボットがその場ですぐに再現できる。ロボットの専門知識は不要で、ドライバーでねじを締めるような、道具を使った細かい作業も数分で再現する。
 

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