
要素技術・部品で自動化が変わる【前編】/日本ものづくりワールド
6月19日~21日の3日間、東京都江東区の東京ビッグサイトで「第36回日本ものづくりワールド」が開催された。機械要素技術展や設計・製造ソリューション展など10の展示会を合同開催したもので、3日間合計で6万6895人が来場した。ロボットメーカーが出展する展示会ではないが、機械部品メーカーが自社部品を使ったロボットシステムを紹介するなど、ロボットに関する展示もあった。
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6月19日~21日の3日間、東京都江東区の東京ビッグサイトで「第36回日本ものづくりワールド」が開催された。機械要素技術展や設計・製造ソリューション展など10の展示会を合同開催したもので、3日間合計で6万6895人が来場した。ロボットメーカーが出展する展示会ではないが、機械部品メーカーが自社部品を使ったロボットシステムを紹介するなど、ロボットに関する展示もあった。
セイコーエプソン製品の国内販売を担うエプソン販売(東京都新宿区、鈴村文徳社長)は7月3日、垂直多関節6軸ロボット「VT6L」のDC(直流)仕様モデルの受注を開始した。
ロボット業界で活躍する女性にスポットを当てた連載「活躍するロボジョ」。第22回で紹介するのは、オムロンの西岡寿恵さん。岡山事業所を拠点に中国、四国地方を担当し、産業用ロボットを含むFA(ファクトリーオートメーション=工場自動化)製品を組み合わせてソリューションとして提案する。「オムロンのロボットは、お客さまの課題に沿って提案できる幅広いラインアップが強み。お客さまから『面白いね』『一緒に考えていきたい』との声をいただくこともあります」と話す。女性キャリアのロールモデルとなり、 「多様な人材が働きやすい現場を実現したい」と力を込める。
製造現場や物流現場では、労働力不足や重量物を取り扱う際に作業者に大きな負担がかかるなど、多くの課題がある。マテハンメーカーは、これらの課題の解決につながる自動倉庫システムや自動搬送システム、無人搬送車(AGV)などを提案する。搬送指示を出しやすい自動倉庫や位置精度に優れる搬送システム、搬送路設定の簡易なソフトウエアなど各製品の強みはバラエティーに富む。このコーナーでは全3回に分けて、マテハンメーカー15社の最新製品や一押し機種を取り上げる。最終回となる今回は、AGVや自律走行型搬送ロボット(AMR)、関連ソフトウエアなどを紹介する。
日本物流システム機器協会は、工場や物流センターなどで使われるマテリアルハンドリング(マテハン)システム・機器メーカーの団体だ。マテハンシステム・機器の市場は年々伸びており、工場向けの引き合いや導入も増えている。過去に一部工程を自動化済みの現場でも、いま改めてシステムを刷新しようとの機運が高まっているという。「マテハン投資に対する考え方が大きく変わり、自動化が新たなステージに入った」と下代博会長(ダイフク社長)は語る。
搬送を自動化するマテハン機器は、コンベヤーや無人搬送車(AGV)、自律走行型搬送ロボット(AMR)などがある。技術商社の三機(名古屋市熱田区、木島正人社長)は、一風変わったAMRを工場向けに提案する。それは、飲食店などでも使われる配膳ロボットだ。料理の代わりに、加工した部品を載せて運べると考えた。大野精工(愛知県西尾市、大野龍太郎社長)の本社工場に納入し、加工エリアから検査室への搬送に役立てている事例を紹介する。
自動化システムの製品群を豊富に持つDMG森精機は近年、ワーク着脱から工場物流まで自動化できるソリューションの提案に力を入れている。その中核となるのが、協働ロボットと自社開発の自律走行型搬送ロボット(AMR)を組み合わせた「WH-AMR」だ。WH-AMRは生産ラインの構成や生産形態に合わせて柔軟に運用できるのが特徴で、特に変種変量生産の自動化に威力を発揮する。
マテハン・物流関連システムを専門に取り扱うロジスティクス&オートメーション(L&A)事業部を経営の柱の一つに据える、総合機械メーカーの村田機械(京都市伏見区)。村田大介社長は「ニッチ市場でキラリと光る企業であるには技術開発が大事」と強調する。
工場内の物流、つまりマテリアルハンドリング(マテハン)を見直す企業が増えている。自律移動型搬送ロボット(AMR)やロボット自動倉庫など新たなソリューションも普及が進む。マテハンはこれまではあまり目立たない「縁の下の力持ち」的な存在で、古い設備を使い続けている現場も多い。だからこそ、最新システムに刷新するインパクトは大きい。製造業の人材不足は深刻で、工場のあらゆる工程の一層の省人化が求められている。FA(ファクトリーオートメーション=工場自動化)メーカーもアーム付き搬送ロボットを提案するなど、次世代型のマテハンに着目する。いま熱い注目を集める工場マテハンの最前線を追う。
平田機工は5月25日、都内で2023年3月期の決算説明会を開催した。売上高は前年同期比16.9%増の784億4300万円、営業利益は同53.5%増の59億2000万円、経常利益は同36.3%増の58億200万円、親会社株主に帰属する当期純利益は同59.2%増の42億6900万円と、大幅な増収増益を達成した。「EV(電気自動車)関連や半導体産業向けが活況で売上高が増加し、内製化推進による原価低減などで利益率が向上した」と平田雄一郎社長は言う。