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2025.04.24
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西日本最大規模の物流見本市でAGV・AMRの提案が続々/第6回関西物流展

AGVの利便性を高める提案も

 AGVやAMRの利便性を高めるソフトや周辺機器を提案する企業も見られた。  今回展が初出展となるシステムインテグレーター(SIer、エスアイアー)のティーネットジャパン(高松市成合町、木本泰樹社長)は、自動搬送車マネジメントシステム「ナイトフリート」やそれを活用したAGVの搬送デモを展示した。  ナイトフリートを使えばパソコンやタブレット端末からAGVやAMRなど自動搬送車の走行ルートの設定や稼働状況が確認できる。エレベーターや自動ドアなど自動搬送車以外の設備や統合基幹業務システム(ERP)、倉庫管理システム(WMS)のような各種システムとの連携も可能。「ナイトフリートは自動搬送車のメーカーがばらばらな場合でも一括管理できるのが、自動搬送車に標準付属する管理ソフトとの大きな違い」とSI事業本部営業統括部DX推進課の高橋淳課長は話す。  大喜産業(大阪市西区、森口博之社長)は、対象物(ワーク)の受け取り、搬送、投入までを自動化するAMR向け周辺機器「KARAKURI SYSTEM(からくりシステム)for MiR」を展示した。  アルミフレームとローラーコンベヤーで構成されており、デンマークに本社を置くモバイル・インダストリアル・ロボット(MiR)のAMRに積載して使う。固定されたシューター(物を自重で滑らせる機器)から排出されたコンテナを受け取ってAMRで搬送し、からくりシステム内部のローラーコンベヤーでコンテナを別地点に固定されたシューターへ投入する。「電気のような動力源が不要のため、導入後すぐに稼働できる」と竹村勝執行役員は話す。  ベルギーに本社を置く安全柵メーカーのボープランの日本法人であるボープランJapan(奈良市、中尾正社長)は、「FLEX IMPACT(フレックスインパクト) 歩行者バリアHP PLUS(プラス)」シリーズをはじめとしたポリマー製の安全柵やポールを展示。金属製ではなくポリマー製のため、フォークリフトやAGVなどがぶつかっても柵がゆがむことなく元の形状に戻る。塗装がはがれることによるさびの心配もなく、メンテナンスフリーで経済性は高い。  中尾社長は「物流現場で人が活動するエリアとフォークリフトなどの車両が行き交うエリアを分けようとするニーズが高い。AGVを稼働させるエリアを防護柵で区分するのも、従業員の安全を確保するために必要だ」と話す。

ティーネットジャパンは自動搬送車マネジメントシステム「ナイトフリート」を使いAGVの稼働を管理するデモを展示
大喜産業は「からくりシステムfor MiR」でコンテナの受け渡す自動化の様子を披露した
ボープランJapanは複数種類の安全柵やポールを展示した

万博出展機の先行展示も

伊東電機は大阪万博で展示する製品を関西物流展に先行展示した

 AGV・AMR以外の分野では最大規模の小間数で出展した伊東電機(兵庫県加西市、伊東徹弥社長)が、モジュール式ローラーコンベヤー「id-PAC(パック)」の複数機種を組み合わせたソーティングシステムを展示。「多種多様なモジュールを組み合わせることで、商品の取り出しや箱詰め、仕分けといった従来は人手がいる作業を全て自動化できる」と担当者は言う。  それに加えて、4月13日に開幕した「大阪・関西万博」にも展示する「FNRコンベヤ」と、独自のデジタルツイン技術「id-DVT」を開催に先駆けて展示した。FNRコンベヤは搬送に必要な部分のみが駆動する方式のため、省エネや静音化を実現する。id-DVTは現実空間とデータ上での荷物の動きを連動させることで、仕分けミスなどを未然に防ぐ。会場では大阪・関西万博の展示と同様の体験型ゲームコーナーも設けられ、来場者でにぎわった。

(ロボットダイジェスト編集部 松川裕希、斉藤拓哉、西山勝哉)

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