2021.12.13
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冷凍倉庫の物流に低温対応AMRを提案/ピーエムティー 京谷忠幸社長

確かな根拠に基づいて提案

「シミュレーション技術を生かして的確な提案をしたい」と京谷社長

 SPグループが販売するAGVやAMRを含む物流システムの導入コストは数千万~数億円と高額になる場合が多い。それゆえ導入に二の足を踏む顧客も少なくない。「AGVやAMRの導入台数が多ければ無駄なコストになり、少なければ不十分なシステムとなる。不安を払しょくするためにも、しっかりしたエビデンス(根拠)に基づいて提案しなければならない」と京谷社長。  そこで、過不足ない適切なシステムを提案するシミュレーションソフトを開発中。AIを活用し、AGVやAMRの適切な導入台数をはじめ、効率的な工場レイアウトを分析する。仕様の提案までの期間を短縮するとともに、設備投資への不安を払しょくする。22年3月の「2022国際ロボット展」でファーストモデルを披露する予定だ。  システム全体の大まかな仕様を算出した後、具体的に設計する段階では別のシミュレーションソフトを使う。各種設備や装置類の3次元の外形データをPC上で配置し、可動範囲などのパラメーターを設定すると現実に近いシミュレーションができる。「高度なシミュレーションができる分、設定項目が複雑で多岐にわたり、使いこなすのが難しい。高いレベルで使いこなす人材を育成することが課題だ」と京谷社長は語る。

商社のDNAを持つメーカー

福岡県の本社工場

 同社は1991年に半導体関連の商社として設立した。96年に半導体や電子部品の受託加工を開始。今では、機械装置の開発を始め、食品や環境関連のライフサイエンス事業も手掛ける。   元々が商社のため、特定のコア技術に依存しないのが特徴だ。その分、自社の技術やノウハウを生かしながら新しい事業領域を開拓するため、積極的な合併・買収(M&A)を通じてグループを拡大。昨年5月にはピーエムティーを中核企業とするシンク・アイホールディングスを新たに立ち上げた。  SPグループは、ピーエムティーが培ってきた自動化技術を生かした次世代の事業として、ロボット関連のビジネスを担う。京谷社長が「どの産業もロボットによる自動化は避けられない」と話すように、ロボット事業の可能性は大きく、事業拡大を目指して集中的にリソースを投入する。SPグループでは特にAGVやAMRを軸に、物流の自動化提案に力を入れる。世界中からメーカーを発掘する方針や提案に確かなエビデンスを求める考え方は、商社のDNAがあるからこそ。今後も特徴あるメーカーとの協業を通じて、ソリューションを充実させる考えだ。

(ロボットダイジェスト編集部 松川裕希)

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