デモ展示で、ロボット“リモート化”の活用方法を問う/リモートロボティクス×SSI
リモート化やアプリ作成もスムーズに
遠隔操作システムの構築は通常、それに適したクラウド環境の構築や遠隔操作用アプリの開発などが必要で難しい。 しかしRemolink Builderを使えば、システム完成までにかかるコストや手間を削減できる。
Remolink Builderは、ロボットの遠隔操作システムを構築するのに必要なツール群の「Remolink Tools(ツールズ)」と開発向けのサポートサービスで構成される。Remolink Toolsは以下の3つを含む。 ・ロボット制御アプリに組み込むソフトウエア開発キット「Remolink SDK」 ・情報中継Windowsアプリケーション「Remolinkコントローラー」 ・遠隔アプリ作成ノーコードツール「Remolinkアプリビルダー」 まずRemolink SDKを、ロボットシステムを制御するパソコンに組み込む。その後Remolinkコントローラーで、ロボットシステムとRemolinkのサーバーを接続する。続いてRemolinkアプリビルダーで、ユーザー自身が遠隔操作用アプリを作成。そうすると、アプリを通じてロボットに指示を送れるようになる。 パソコンで制御していれば、既に稼働しているロボットでも実装できるため、さまざまな現場で導入しやすい。 Remolinkアプリビルダーは、Webアプリ制作の知識がなくても簡単にアプリを作れるノーコードツールという点が大きなメリット。操作画面のレイアウトをあらかじめ複数パターン用意しており、用途に適した画面構成を選べるようにした。ユーザーはレイアウトを決めたら、カメラ映像やロボットに指示を送るボタンなどを配置する。ボタンを押すとどのような指示を送るかは、フローチャートで設定できる。 一通りできたら動作テストを経て、アプリ作成が完了する。
デモシステムを構築したSSIの山本昌治最高技術責任者(CTO)は「直感的な操作でアプリを作成でき、とても簡単。管理者用と作業者用で操作権限の異なる画面を設定することもでき、現場に最適なアプリがスムーズに作れる」と話す。 アプリを通してロボットに動作開始などの指示を送れるが、さらに柔軟な対処を実現するのが「ミッション機能」だ。 例えばSSIが構築したデモシステムでは、ピッキング作業中の範囲から対象物がなくなるとロボットは自動で停止する。対象物をさらに投入しても、管理者が新たに指示をしなければロボットが止まったままで、生産がストップしてしまう。 そこでミッション機能で、リモート作業者に通知してそれを防ぐ。ロボットが停止している状況を伝え、次の作業の指示を出すように促す。 「作業の切り替え時だけでなく、エラーが発生した際に通知を送るように設定することもできる。将来的には、複数のロボットを作業者1人で管理するシステムも目指したい」と竹内常務。