[随想:ロボット現役40年、いまだ修行中vol.10]設備システムの 「安心・安全」を求めて【前編】/小平紀生
システムの安全構築責任
実態を分析したら、次に改善する手段の追求が必要です。
実態改善を目的として、11年から検討部会の名称は「機械安全のためのセーフティインテグレータの機能及び育成に関する検討部会」に変わりました。システムの安全を確実なものにするための役回りをセーフティーインテグレーターと位置付けて、その機能を明確にしようということです。委員会のメンバーも多少実務寄りに入れ替わりましたが、私は残されて、またまた鍛えられました。
ソフトウエアのシステム開発では、システムの設計から検証までの工程を「V字モデル」や「Wモデル」といったモデルで考えます。これを生産設備の安全確保についても適用し、「この工程については一貫してこのセーフティーインテグレーターが責任を持つ」というイメージです。
セーフティーインテグレーターの機能は、システムを発注する側と受注して構築する側の双方に必要で、双方のレベルが一致していることが理想的です。
日機連では結局13年まで活動しましたので、通算で6年間システム安全に関して鍛えられました。もはや「シロウトです」との言い訳はできず、安全に関する講演依頼もぼちぼち舞い込むようになっていました。また、日機連で得られた知見は、その後のロボットのシステムインテグレーター(SIer、エスアイアー)の組織化や体制強化活動にもつながっていきました。
(構成・ロボットダイジェスト編集デスク 曽根勇也)
小平紀生(こだいら・のりお)1975年東京工業大学機械物理工学科卒業、同年三菱電機入社。2004年主管技師長、13年主席技監。日本ロボット学会会長などを歴任し、現在は日本ロボット工業会のシステムエンジニアリング部会長やロボット技術検討部会長、FA・ロボットシステムインテグレータ協会参与、セフティグローバル推進機構理事兼ロボット委員会委員長などを務める。東京都出身、67歳。※本記事は設備材やFAの専門誌「月刊生産財マーケティング」でもお読みいただけます。
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