[進化する物流vol.22]多数のマテハン機器で運用方法を検証、物流倉庫向けショールーム開設/TOYOROBO
ロボット技術の導入支援やコンサルティングを手掛けるTOYOROBO(トーヨーロボ、東京都江東区、新井守社長)は7月1日、物流倉庫向けの自動化技術を体験できるショールーム「Fusion Stride Space(フュージョン・ストライド・スペース)」を開設した。同施設は、野村不動産が千葉県習志野市に設置する研究開発拠点「TechrumHub(テクラムハブ)」内にある。多数のマテリアルハンドリング(マテハン)機器を連携させた搬送デモを通じ、顧客の課題解決に向けた最適な提案を図る。
倉庫全体の自動化をイメージ
同施設で特に目を引くのが、パレットを自動搬送するパレット・ハンドリング・ロボット「APR」だ。中国のマテハン機器メーカーSmart Loop(スマートループ)の製品で、TOYOROBOが国内総代理店として販売する。通常の無人フォークリフト(AGF)が正面に向かって移動するのに対し、APRは横方向に動く。進行方向を変える際はその場で旋回してから移動するため、通路幅の狭い倉庫でも運用しやすい。加えて揚げ高は最大3mで、高い固定棚に対してもパレットを出し入れできる。「国内でAPRを直接見られるのはここだけ。特徴的な動作を体験してもらえれば」と新井社長は言う。
またケースの固定棚への入出庫向けには、自動ケース・ハンドリング・ロボット(ACR)や無人搬送車(AGV)、自律走行型搬送ロボット(AMR)などを展示する。ACRを基に開発されたスタッカークレーンもあり、棚からケースを取り出して保管装置「i-BOX(ボックス)」に搬入する運用方法も披露する。i-BOX内で一時的に保管しておき、ピッカーの作業状況に応じてケースを搬出することで、ピッカーの作業を待つことなくスタッカークレーンが次々とケースを棚から取り出せるようになる。これらはi-BOXも含め全てスマートループの製品で、機器同士の連携もスムーズにできる。