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2025.08.04
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[進化する物流vol.22]多数のマテハン機器で運用方法を検証、物流倉庫向けショールーム開設/TOYOROBO

ロボット技術の導入支援やコンサルティングを手掛けるTOYOROBO(トーヨーロボ、東京都江東区、新井守社長)は7月1日、物流倉庫向けの自動化技術を体験できるショールーム「Fusion Stride Space(フュージョン・ストライド・スペース)」を開設した。同施設は、野村不動産が千葉県習志野市に設置する研究開発拠点「TechrumHub(テクラムハブ)」内にある。多数のマテリアルハンドリング(マテハン)機器を連携させた搬送デモを通じ、顧客の課題解決に向けた最適な提案を図る。

倉庫全体の自動化をイメージ

フュージョン・ストライド・スペースでは10台以上のマテハン機器が稼働する

 フュージョン・ストライド・スペースでは、物流現場を自動化する技術に触れられる。パレット(荷役台)と樹脂製のケースを対象に、それぞれの入出庫や搬送などを自動化する機器が多数並ぶ。新井社長は「物流の自動化を進めるには、作業の一部のみではなく総合的な視点を持つことが不可欠。マテハン機器が連携して稼働する様子を見れば新たな発想にもつながり、倉庫全体の自動化もイメージしやすい」と語る。

パレット・ハンドリング・ロボット「APR」は横方向に動く

 同施設で特に目を引くのが、パレットを自動搬送するパレット・ハンドリング・ロボット「APR」だ。中国のマテハン機器メーカーSmart Loop(スマートループ)の製品で、TOYOROBOが国内総代理店として販売する。通常の無人フォークリフト(AGF)が正面に向かって移動するのに対し、APRは横方向に動く。進行方向を変える際はその場で旋回してから移動するため、通路幅の狭い倉庫でも運用しやすい。加えて揚げ高は最大3mで、高い固定棚に対してもパレットを出し入れできる。「国内でAPRを直接見られるのはここだけ。特徴的な動作を体験してもらえれば」と新井社長は言う。

棚から取り出したケースを、保管装置「i-BOX」に搬入する運用方法などを披露

 またケースの固定棚への入出庫向けには、自動ケース・ハンドリング・ロボット(ACR)や無人搬送車(AGV)、自律走行型搬送ロボット(AMR)などを展示する。ACRを基に開発されたスタッカークレーンもあり、棚からケースを取り出して保管装置「i-BOX(ボックス)」に搬入する運用方法も披露する。i-BOX内で一時的に保管しておき、ピッカーの作業状況に応じてケースを搬出することで、ピッカーの作業を待つことなくスタッカークレーンが次々とケースを棚から取り出せるようになる。これらはi-BOXも含め全てスマートループの製品で、機器同士の連携もスムーズにできる。

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