• インタビュー
2024.11.01
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人の成長が企業の成長に/北川鉄工所 岡野帝男社長インタビュー

ヒントは現場に

――経営トップとして大切にしたいことは。  現場がとても重要です。開発や製造、営業の現場はもちろん、顧客の現場もそうです。顧客の現場からできるだけ多くのニーズを拾い上げ分析し、それに応える製品を開発する。業界を問わず、顧客のニーズに真摯に応えていけば、おのずと結果が出るというのが、私の考えです。 ――来年にはインドで生産を開始します。  インドはもちろん欧州や北米でも、需要のある場所の近くで、必要とされるものを必要なだけ生産することが重要です。営業マンには、技術を学び海外で活躍してもらいたい。困り事に対しすぐに提案ができると、商談がスピーディーですから。

経験生かし改革に着手

――岡野社長の方針に基づき、いくつかのプロジェクトが動き出しています。  「ほめる文化醸成プロジェクト」がその一つです。会社にはいろいろなレベルの人がいますが、スキルの高い人もそうでない人も、それぞれが少しずつ成長することで会社全体の成長につながります。人にほめられることは成長のきっかけになると思うんです。他にも、広報誌を親しみやすいデザインに刷新しようとしています。事業部をまたぐと、どんな仕事をしているのか知らない人が大勢いるので、社内のコミュニケーションツールとして使ってもらいたいですね。それから、社長とはいえ入社したばかりの私を知ってもらうことも必要です。社員と同じ食堂で昼食を取り、「岡野さん」と呼んでもらうようにお願いしています。 ――開発本部長も兼任します。  本部長の仕事はマネジメントです。長く銀行に勤めたことで、伸びしろのある業界を見極める目は持っているつもりです。開発に熱中する技術者は視野が狭くなりがちなので、冷静に俯瞰(ふかん)できる人が開発のトップにいるのも面白いと思いますよ。 ――休日の過ごし方は。  ドライブを兼ねてゴルフや温泉巡りをするのが楽しみです。平日は座右の銘である「粉骨砕身」をモットーに、身を粉にして働く所存ですが、休日はゆっくりして自分に余裕を作ることも必要かなと感じています。

(聞き手・ロボットダイジェスト編集部 松川裕希)

岡野帝男(おかの・きみお) 1986年日本大学法学部卒業、広島銀行入行。2012年府中支店長。21年取締役常務執行役員。22年しまなみ債権回収会長。23年4月北川鉄工所入社、非常勤顧問。24年5月常勤顧問、6月社長執行役員兼開発本部長。広島県出身の61歳。

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