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2018.12.18

連載

[SIerを訪ねてvol.3]生産ライン全体まで踏み込んだ構築を【後編】/豊電子工業

受け継がれる「豊魂」

多くの技術者が働く同社オフィス

 グループ全体の従業員約700人のうち500人がSIer業務に携わる。
 機械設計に100人、制御に100人の技術者がおり、その他に顧客から寄せられる新しい加工法を研究する技術開発の部門にも40人ほどを配置。顧客とゼロからラインを開発するには、ロボットだけでなく加工も含めた技術が必要になるため、これほどの人数を技術開発部門に投入する。
「うちの規模でこれだけの人数を割くのは珍しい」と盛田社長は強調する。

豊電子工業提供

 また「発信力が大事」と盛田社長が言うように、展示会にも積極的に出展する。
 11月に横浜で開催された「2018日本ダイカスト展示会」では、無人搬送車(AGV)にロボットを乗せて搬送するシステムや、ロボットコントローラーのベンチャー企業MUJIN(東京都墨田区、滝野一征最高経営責任者〈CEO〉)とタッグを組んだシステムを紹介した。

「これまでの取り組みを思い返すと、利益につながるものは少なかったかもしれない」と振り返る盛田社長。「しかし、開発ばかりしたことで他社にはない技術や知見が蓄積され、海外の市場でも十分戦える力を付けることができた。その原点でもある、“世の中にない物を作ろう”との『豊魂』はこれからも持ち続けたい」と語る。

――終わり
(ロボットダイジェスト編集部)



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