リモートサービスでトラブル時の早期復旧を支援/三菱電機
製造現場でロボットシステムにトラブルが発生した際、いかに素早く復旧できるかが重要になる。三菱電機はアフターサービスに力を入れており、システムの早期復旧につながるリモートサービスの提供を新たに開始した。そのサービスではロボットの日々の稼働状況を装置メーカーや三菱電機と共有することで、トラブル発生時の情報共有をスムーズにし、ダウンタイムの短縮に役立てる。
稼働状況の共有で早期復旧を
三菱電機の産業用ロボットは、動作速度や精度に優れる「MELFA(メルファ) FRシリーズ」や、シンプルな構造でスリムさが特徴の「MELFA CRシリーズ」、協働ロボットの「MELFA ASSISTA(アシスタ)」シリーズと豊富なラインアップを誇る。同社はこれらの製造、販売だけでなく納入後のサポートにも力を入れており、アフターサービスをパッケージ化したのが「iQ Care MELFA Support(アイキュー・ケア・メルファ・サポート、iQMS)」だ。
iQMSは、ロボットの保証期間を延長する「保証延長サービス」と、三菱電機グループのサービス会社のエンジニアが定期的にロボットの点検をする「点検サービス」から、ユーザーが希望するプランを選択して利用する。また保証延長サービスと点検サービスにはそれぞれ、ロボットの稼働データを自動収集する「モニタリングサービス」が付帯する。
今年1月、同パッケージに新たに有償の付帯サービスとして「リモートサービス」を追加した。モニタリングサービスで収集した稼働状況を、クラウド上で簡単に共有できるようになる。ロボットシステムを構築した装置メーカーや三菱電機と稼働状況を共有すれば、トラブル発生時に情報を素早く伝達でき、早期復旧につながる。
同社名古屋製作所ロボット製造部ロボットテクニカルセンターの猪飼剛さんは「ロボットが故障やトラブルで停止した際、多くの現場ではまず装置メーカーへ問い合わせをする。装置メーカーで解決しきれない場合に三菱電機グループのサービス会社へ連絡が入るが、そこから状況把握や交換部品の手配などをするとどうしても時間がかかる。普段から稼働状況を共有すれば復旧までの時間を短縮できると考え、リモートサービスを始めた」と説明する。
提案型のアフターサービスに
レポート配信機能は、1カ月分の稼働状況やロボットの状態を表などにまとめ、ユーザーへ毎月配信する。発生頻度の高いエラー情報や消耗度の高い部品、過去2カ月とのデータ比較などが記載され、ロボットの状態把握や稼働率の改善に役立つ。メール通知機能は、エラー発生時や消耗品の交換タイミングなどに、指定のメールアドレスへ通知を送る。レポート配信機能やメール通知機能があるため、ダッシュボードを常にチェックせず、必要なタイミングにだけ稼働状況を確認するような運用もできる。
iQMSは国内だけでなく中国や台湾、タイ、インドなどにも展開しており、これら以外のアジアや欧州にも広げる予定という。対象地域の拡大とともにサービス内容の充実も図り、2030年にリモートサービスの契約ロボット台数1000台を目標に掲げる。
機器事業部ロボット・センサ部戦略企画グループの山岡誠さんは「新設、既設機を問わずわが社のロボットに対してリモートサービスを利用できる。ダウンタイムを最小化し、顧客満足度を一層高めたい」と話す。現在は遠隔地からリモート操作し、チョコ停(短時間の設備停止)から復旧する機能などの開発に取り組む。
猪飼さんは「いずれは共有された稼働状況を基に、こちらから点検タイミングや交換部品の手配なども提案できるようにしたい。ユーザーからの連絡を待つのではなく、先んじて動く提案型のアフターサービスを目指す」と意気込む。